南京錠の鍵をなくしたり、ダイヤル番号を忘れたり、あるいは鍵が故障してしまったりして、どうしても開かない場合、最終手段として「力で開ける」ことを考えるかもしれません。これは、南京錠を破壊して開ける方法であり、物理的な力や工具を使用します。ここでは、南京錠を力で開ける最終手段について解説します。南京錠を力で開ける、つまり破壊する主な方法は、前述の「切断する」ことや、本体を「叩き割る」「引きちぎる」などです。切断は、シャックル（U字型の部分）をボルトクリッパーやディスクグラインダーで切断する方法です。これは、比較的メジャーな破壊方法であり、多くの南京錠に対して有効ですが、南京錠の強度によっては難しい場合があります。本体を「叩き割る」というのは、ハンマーなどで南京錠本体を強く叩いて破壊する方法です。特に安価で素材が弱い南京錠であれば、本体を叩くことで内部のロック機構が破損し、シャックルが外れる可能性があります。しかし、頑丈な南京錠や焼き入れ処理が施された南京錠に対しては、この方法はほとんど効果がありません。金属片が飛び散ったり、大きな音が出たりするため、安全には十分配慮が必要です。「引きちぎる」というのは、例えば南京錠に繋がったチェーンやワイヤーを車両などで引っ張ったり、バールなどを隙間に差し込んで力任せに引き剥がしたりする方法です。これは南京錠だけでなく、取り付けられている対象物（フェンスや扉など）にも大きな損傷を与える可能性が非常に高い危険な方法です。映画などで見るような方法であり、一般の人が行うことは推奨されません。南京錠を力で開ける、つまり破壊することは、基本的にその南京錠を再利用できなくする行為です。そして、これらの作業は、使用する工具の種類によっては非常に危険が伴います。怪我をしたり、周囲の物や建物を破損させてしまったりするリスクがあります。また、騒音も発生するため、行う場所や時間帯にも配慮が必要です。