メットインに鍵を閉じ込めてしまい、スペアキーも手元にない。この、八方塞がりの状況で、バイクを再び動かすためには、プロの力を借りるしかありません。その際の依頼先として、主に考えられるのが、「JAF」、「バイクを購入した販売店(バイク屋)」、そして「鍵の専門業者(鍵屋)」の三つです。それぞれに、メリットとデメリットがあり、あなたの置かれた状況や、何を優先するかによって、その最適解は異なります。まず、「JAF」は、車のトラブルのイメージが強いですが、実は、バイクのトラブルにも、会員であれば対応してくれます。キー閉じ込めの解錠作業は、原則として無料(会員の場合)であり、コストを最優先するなら、まず検討すべき選択肢です。ただし、全てのシートロックに対応できるわけではなく、車種や状況によっては、対応不可と判断される場合もあります。次に、「バイクを購入した販売店」です。そのバイクのことを、最もよく知るプロであり、確実な作業が期待できます。しかし、店舗までバイクをレッカー移動させる必要があり、その費用と、時間がかかるのが、最大のデメリットです。また、店舗の営業時間内でなければ、対応してもらえません。そして、こうした状況で、最も頼りになることが多いのが、「鍵の専門業者(鍵屋)」です。鍵屋の最大のメリットは、その「スピード」と「利便性」、そして「専門性」にあります。多くは、二十四時間体制で出張サービスを行っており、電話一本で、バイクがある場所まで、駆けつけてくれます。そして、鍵開けのプロとして、特殊な工具を使い、鍵穴から直接、あるいは、他の方法で、シートロックを、傷つけることなく解錠してくれます。作業は、早ければ十分程度で完了し、すぐにバイクに乗って帰ることが可能になります。費用はかかりますが、出先でのトラブルや、一刻も早く解決したい場合には、最も確実で、合理的な選択と言えるでしょう。ただし、業者によって、技術力や料金体系は大きく異なるため、依頼する前には、必ず、総額での見積もりを確認することが、不可欠です。