南京錠の鍵をなくしたり、開かなくなったりした場合、最終手段として「切断」を考えることがあります。特に、鍵がかけられた対象物からどうしても外したい場合は、南京錠を切断する必要が生じます。南京錠を切断する方法と、その際に注意すべき点について解説します。南京錠を切断する最も一般的な方法は、「ボルトクリッパー（番線カッター）」を使用することです。これは金属の棒などを切断するための工具で、ホームセンターなどで購入できます。南京錠のシャックル（U字型の部分）の太さに合ったサイズのボルトクリッパーを選びます。シャックルをボルトクリッパーの刃で挟み込み、両手の柄に力を入れて握り込むことで切断します。安価で手軽な南京錠であれば、比較的簡単に切断できる場合が多いです。より強力な方法としては、「ディスクグラインダー（サンダー）」を使用する方法があります。これは高速回転する円形の刃で金属などを切断・研磨する電動工具です。金属切断用の刃を取り付け、シャックルに当てて切断します。ボルトクリッパーでは切断できないような太く頑丈なシャックルでも、ディスクグラインダーであれば切断可能です。しかし、南京錠を切断する際には、いくつかの重要な「注意点」があります。まず、「安全対策」です。ボルトクリッパーを使用する際も、挟んだものが飛び散ったり、指を挟んだりする危険性があります。軍手などを着用し、周囲に人がいないか確認して行いましょう。ディスクグラインダーを使用する場合は、さらに高度な安全対策が必須です。高速回転する刃は非常に危険であり、切断時に火花や金属粉が大量に発生します。保護メガネ、手袋、長袖の作業着、防塵マスク、安全靴などを必ず着用し、周囲に燃えやすいものがないか確認し、換気の良い場所で行いましょう。騒音も大きいため、耳栓なども有効です。次に、「切断対象物の保護」です。南京錠を切断する際に、誤って自転車のフレームやチェーン、フェンスなどを傷つけてしまわないように、慎重に作業を行う必要があります。